オリーブオイルについての興味深い事柄
■エキストラ・バージン・オリーブオイルについて
エキストラ・バージン・オリーブオイルを含む、バージン・オリーブオイルは、オリーブの果実ジュースで、圧搾やデカンタ、もしくは遠心分離機のような物理的な工程のみにより作られています。
バージン・オリーブオイルの品質は、食物全てについても同様のように、使用している原材料の品質によって決まります。よってバージン・オリーブオイルは、オリーブの実の品質に深く関与されますが、それは、オリーブ果実の成長と成熟過程をきちんと追い、収穫のタイミング、果実の運送、搾油、貯蔵、ボトリング、そして最終消費者の方々に届くまでの流れ全てとなります。
■オリーブオイルの等級について
現在、国際オリーブオイル協会(IOC)にて定められているオリーブオイルの等級は、以下のとおりです。
注意:理化学的検査は、酸度のほか、過酸化度、K度、蝋等があります。
官能検査は、公式テイスター団によって行われます。
“ランパンテ・バージン・オリーブオイル”は、そのまま販売することは禁止されています。
精製工場にて、精製され“精製オリーブオイル”となります。また、この“精製オリーブオイル”とエキストラ・バージン・オリーブオイル、もしくは、“バージン・オリーブオイル”を合わせたものを、旧“ピュア・オリーブオイル”(現“オリーブオイル”)といいます。
オリーブオイルの酸度とは、オリーブオイルに含まれるオレイン酸における数値で、オレイン酸の遊離脂肪酸(の量となります。それは、加水分解による、オイル内のトリアシルグリセロール(中性脂肪の一種)の変化の量となります。酸度は、エキストラ・バージン・オリーブオイルやバージン・オリーブオイルのレベルでは、官能的には感知できません。
オリーブオイルの安定性とは、以下の3つにより決まります。
1. オレイン酸の含有量
2. ポリフェノールの含有量
3. K225値(苦味を測定する機械によって計測される。)
上記3つの値は、主に、品種によって違ってきますが、栽培方法、収穫時期(実の成熟度)や製造方法によっても、オレイン酸とポリフェノールの含有量は変化し、それによって、安定度も変わってきます。
■官能検査について
オリーブオイルは、欠陥の中央値とオリーブ果実のフルーティー度の中央値によって、表のようなカテゴリー別に等級される。欠陥の中央値とは、感知された欠陥要素がいくつかある場合、その中央値数が一番高い欠陥値の中央値と理解する。
オリーブオイルの等級は、欠陥の中央値とオリーブ果実のフルーティー度の中央値を比べて行う。その数値の限度は、方法誤差を考慮に入れて設定されている。
官能検査の詳細は、以下のとおり。
a) エキストラ・バージン・オリーブオイル:欠陥の中央値は、0で、オリーブ果実のフルーティー度の中央値は、0を越える。
b) バージン・オリーブオイル:欠陥の中央値は、0を超え、3.5以下で、オリーブ果実のフルーティー度の中央値は、0を越える。
c) ランパンテ・オリーブオイル:欠陥の中央値は、3.5を超え、もしくは3.5以下で、オリーブ果実のフルーティー度の中央値は、0。
■テイスティングの方法
規準化されているテイスティング用の青色のグラス(コップ)に、15mlのオイルを 入れてください。
そして、時計皿と呼ばれる透明なガラスの蓋をし、アロマが飛ぶのを 防いでください。
そして、手のひらにて暖めてください。
コップの温度が、28度くらいが 理想で、その温度ですと、オイル自身が持つアロマをきちんと感知できます。
続いて、コップを傾けながら少しずつ回し、コップの内側の壁にオイルがつくように してください。
そして、時計皿をはずし、短めににおいを嗅ぎ、コップの上に上がってくるにおいを 感知してみてください。
オイルの第一印象を感じてみてください。
2度目は、もう少し深く 嗅ぐようにしてください。
オイルのフルーティー度は、どのくらいか、そしてどのような タイプか(青い実、もしくは成熟している実)、何か変なにおいはしないか(欠陥)等、 評価をしてみてください。.
その次に、少量のオイルを口に含んでみてください。
その後、息を吸いながら、オイルが 口腔のすみずみにまでいきわたるようにしてください。
口腔のすみずみにいきわたること によって、さまざまな風味を感知することができ、また、フルーティー度の大きさ、そして どのようなフルーティー度かを評価することができます。
■テイスティングにおける専門用語
プラス属性
オリーブ果実のフルーティー度:直接的、と/もしくは、RETRONASAL(鼻の奥にある口と繋がっている部位)を通して、オイルを嗅いだ際の特徴。オリーブ果実の種類、健康な実で、フレッシュか、オリーブの実の成熟度はどうか(青い実か熟れた実か)。
オリーブの実の成熟度についての判断基準としては、オイルを嗅いだ際、熟れたにおいではなく、青い実のにおいがする場合は、青い実と判断してください。そのオイルは、オリーブの実の状態が、完全に熟れた状態でなく、青い実から製造したということになります。
また、青い実のにおいではなく、熟れたにおいがする場合は、熟れた実と判断してください。
そのオイルは、オリーブの実は、青い実の状態と成熟した実の状態で製造したということになります。
苦味:オリーブの実の状態が青、もしくは、ENVERO(赤紫色の状態。)の際、オイルの基本的特徴の味として出ます。舌の上にV型の形についている味蕾(みらい)にて感知します。
辛味:触感的でぴりぴりと感じます。この味を感知する際は、オリーブの実は、収穫期の始めごろに搾油されたか、オリーブの実の状態が青だったかです。辛味は、口腔内全てか、特に喉にて感知します。
マイナス属性
超貯蔵/かす:オリーブオイルの実を収穫後、すぐに搾油せず、積み上げしたり、保管しておいた結果、嫌気性生物が原因にて起こる、高いレベルで進んだ発酵の味。もしくは、デカンタ時(オイルを休ませ、残っている固体や水分を沈ませ、取り除く。)、オイルが長い間、下に沈んだ沈殿物とのコンタクトした際(つまり、清掃を怠った場合)や、圧搾機や貯蔵タンク内で、嫌気性生物による発酵の味。
カビ-湿気:大量の菌や酵母によって侵されたオリーブの実から搾油されたオイルが持つ特徴的な味。数日間湿った場所にオリーブの実を保管したことが原因。
ワイン化-お酢化/酸化-酸味:ワインや、お酢を思い出すオイルの味。基本的に、オリーブの実が好気菌によって発酵している時に起こる。搾油所で使用されている圧搾機のエスパルト(ペースト状になったオリーブの実を、エスパルトという草で編んだマットに盛り付け、何十にも重ねる。)が、きちんと掃除されていない場合、残ったオリーブの実は発酵を起こす。その場合、酢酸、エチルアセテートやエタノールを形成する。
金属:金属を思い出すオイルの味。オリーブの実の粉砕時、攪拌作業時、圧搾時、貯蔵時の間等、長期間に渡って、金属の表面とのコンタクトがあった場合に起こる。
湿気た状態:強い酸化が起こっているオイルの味。
煮え、もしくは焦げ:搾油工程時、特に攪拌時に、長い間適応以上の温度にて作業を行った場合に起こる味。
まぐさ-木:乾燥したオリーブの実からできたオイルの味。
べたべた:古いオイルよって起こる、口の中でべとべとし、汚い感じがするオイル。
油:ガソリンや脂、ミネラル油を思い出させる味のオイル。
アルペチン:搾油工程において出る、オイルと実などの固体を除く水分(スペイン語で、アルペチン)と長い間コンタクトを持ったために起こる発酵の味。
サルムエラ(塩水):塩水につけて保存されたオリーブの実を搾油してできたオイルの味。
エスパルト:新しいエスパルト(草の種)で編んだ生地にて圧搾したオイルの味。緑エスパルトと乾燥エスパルトで編んだ生地種類により、味が違う。
土:土やドロがつき、洗わずに搾油したオリーブの実からできるオイルの味。
環形動物:オリーブバエ(Bactrocera Oleae)の幼虫によってひどく侵された状態のオリーブの実を搾油したオイルの味。
きゅうり:密封容器、特に、ブリキの容器に長期間保存された場合に起こる味。“2,6-ノナジエール”(きゅうり臭)の形成の属性である。
湿気た木:木に生っている状態で、天候により凍結してしまったオリーブの実を搾油したオイルの味。
■公式オリーブオイル・テイスター団について
オリーブオイル・テイスター団は、団の長によって作られる。そして、そのメンバー数は、8名から12名が妥当である。
その長は、十分な訓練と知識があることが必要であり、テイスティングについて十分明るい人間であり、さまざまな種類のオリーブオイルにかなり慣れている、エキスパートであることが必要である。テイスティング団の責任者であり、その他、テイスティングのオーガニゼーション、その機能とその準備、各オイルへの符号のつけ方、テイスターへのサンプル(テイスティングしなくてはならないオイル)のプレゼンテーション方法、テイスティング後の結果のまとめと、結果の統計処理までにおける全ての責任者でもある。
長は、テイスター団のメンバーを選び、彼らのテイスティングのトレーニングや適合したレベルを維持することを保証するためのプロフェッショナルな行動、態度を監視、指導する。
オリーブオイルのテイスターは、選び抜かれ、また、似通っているオイルを識別する能力を基本として、訓練されていなければならない。また、バージン・オリーブオイルの適格なテイスターの選別、訓練、統制について定めた、国際オリーブオイル協会のガイド内にて制定されている内容に従う。
テイスター団は、官能検査において、全員参加することを約束しなければならない。また、その検査は、国内、ヨーロッパ内、国外にて計画されるが、それは、定期的な統制と感知の規準の調和をするためである。
その上、現在の規定の1節の条項4の内容に従い、認定されたテイスター団は、毎年、テイスター団の構成とテイスター団のクオリティーにおける評価を行った回数を書き、そのテイスターが属する国の機関へ提出しなければならない。